

遠隔教育⽀援サービスを選定する際、最も⼤切にしたことは
「対⾯と変わらない形の授業」ができること
導入の背景
岐⾩県では、全国第7位の⾯積を誇る広⼤な県⼟において、⼩規模校における学びの保障という⼤きな課題に直⾯しています。特に⼩規模校では教員数の制約から、⽣徒が希望する科⽬の授業を⼗分に展開できないなどの場⾯が出てきています。
この課題を解決するため、岐⾩県教育委員会では⽂部科学省が進める「⾼等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の予算を活⽤し、遠隔授業の導⼊を決定しました。導⼊にあたって最も重視したのは、「⽣徒も先⽣も対⾯と変わらない形式で授業を実施できること」です。
岐⾩県教育委員会では令和元年度に電⼦⿊板機能付きプロジェクターとホワイトボードをすべての県⽴⾼校と特別⽀援学校に常設整備しました。現在、県⽴⾼校の授業では、プロジェクターで投影した映像へ先⽣や⽣徒がホワイトボードマーカーやデジタルペンで書き込む授業スタイルが定着しているため、電⼦⿊板を通じて遠隔地間の双⽅向で書き込みができ、⽣徒の板書もリアルタイムで配信センターの先⽣へ共有できる「xSync Prime Academic」の機能が、対⾯授業から遠隔授業へ教育の質を継承できる決定打となり、「遠隔教育⽀援サービスxSync Prime Academic」を採⽤しました。これにより、岐⾩県初となる「単位認定を伴う遠隔授業」への取組がスタートしました。
遠隔授業環境整備

遠隔授業の配信センターは華陽フロンティア⾼等学校(通信制)内に設置し、数学と理科の2スタジオを設け、対⾯授業時と変わらない形で遠隔授業を受信校へ届けるために電⼦⿊板 ELMO Board とホワイトボードを並列に配置しています。
これにより、先⽣はELMO Boardでデジタル教材や動画を映し書き込みながら説明したり、ホワイトボードへ板書して情報を⽰す事ができます。また、配信⽤のWebカメラを固定設置することで、先⽣の⽴ち位置や表情、板書内容を安定して配信しています。
さらに、遠隔授業時に授業⽀援ソフトを連携する事で、受信校の⽣徒⼀⼈ひとりの⼿元のノートを授業⽀援ソフトでリアルタイムに把握し、双⽅向かつ個別最適な指導を⾏える環境を整えています。

単位認定を⾏うための遠隔授業のノウハウ
単位認定を伴う遠隔授業
単位認定を伴う遠隔授業は文部科学省の規定に基づき、まず「同時双方向型」の授業形式であることが求められます。これは、先生と生徒がリアルタイムで音声や映像をやり取りし、対面授業と同等の質を確保するためです。具体的には、電子黒板等を用いて先生が板書を行い、生徒がそれに対して即座に書き込みを行うといった、双方向のやり取りが不可欠です。
また、単に遠隔で授業を繋ぐだけでなく、先生による学習状況の確実な把握も要件となります。そのため、授業支援ソフト等のツールを活用した生徒の手元のノートの確認や、定期的な課題提出、添削指導が行われます。さらに、年に数回は先生が直接受信校へ赴き、対面での授業を行うことも規定で定められています。これら一連の仕組みを整えることで、遠隔授業でも正規の単位として認められる授業形態を構築しています。
遠隔授業の工夫
遠隔授業の円滑な運営のため、配信センターの先生と受信校の先生が連携しています。基本的な授業の進行や操作は配信センターの先生が行いますが、プリント配付や持ち物の連絡、機器トラブル時の対応などは、受信校の先生へ必要に応じて連携してもらう形をとっています。また、遠隔授業時の「つぶやきにくさ」を受信校の先生がフォローするなど、役割を分担しながら生徒との良好な関係性を構築しています。
数学での遠隔授業
数学において重要な「解法プロセスの共有」には、電子黒板が大きな役割を果たしています。先生が一方的に解説するのではなく、画面上で生徒に数式やグラフを書いてもらい、それを先生がリアルタイムで確認・添削するコミュニケーションが行われています。例えば、その場ですぐに先生が丸をつけたり、生徒の書いた計算式に先生が修正を促したりできるため、対面授業と遜色ないスピード感で授業が進みます。

図形や複雑な関数のスライドを提示する際は、デジタルならではの鮮明な教材共有を行い、その上から直接書き込みを加えることで、生徒の視覚的な理解を助けています。また、少人数(1〜7名程度)の参加形態の特性を活かし、先生は生徒一人ひとりの表情や「聞こえていないのではないか」という雰囲気まで細かく察知しながら、個別の指名や声掛けを行っています。

さらに、遠隔教育支援サービスと授業支援ソフトを併用することで、電子黒板には映し出されない生徒の手元のノートもリアルタイムで把握しています。生徒の習熟度に合わせて個別の問題を作成・提示し、解答状況を常時確認できる環境を整えることで、遠隔授業でありながら一人ひとりの理解度に寄り添った丁寧な数学指導を実現しています。
理科(物理)での遠隔授業
目に見えない物理現象(波動や力学的な動きなど)を扱う理科の授業では、静止画や図解だけでは伝わりにくい側面があります。そのため、実験動画や講座動画などを活用し、生徒の直感的な理解を促しています。今後は先生自らが撮影した実験映像を組み込むなど、よりライブ感のある授業展開を検討しています。
また、物理の授業においては、遠隔教育支援サービスと授業支援ソフトとの連携が必須です。 電子黒板の一斉指導に加え、生徒一人ひとりのタブレットと先生の端末を授業支援ソフトと同期することで、受信校の生徒が「今、何を、どこまで書いているか」を配信センターの先生がリアルタイムで把握できます。これにより、つまずいている生徒への個別フォローが可能となり、対面授業と同等のきめ細かな指導を実現しています。
授業支援ソフトに残された学習の軌跡は蓄積されるため、生徒は過去の演習内容をいつでも振り返ることができ、先生側も長期的な視点で生徒の成長や課題を確認できます。遠隔授業でありながら、生徒の「手元の思考」を逃さず、物理的な距離を感じないようなシームレスな学びの場を作っています。
生徒の様子

遠隔授業を受ける生徒たちからは、先生との距離が近く「端の席でホワイトボードが見づらいということがなく、授業に集中できる」「しっかりと自分を見てもらえている気がする」といった前向きな反応が得られています。
また、生徒たちは遠隔教育支援サービスのシステム適応も早く、電子黒板を用いた自己紹介などを通じて、画面上での板書や操作を短期間で習得しました。生徒同士で自然に教え合い、協力して課題を解決する「学び合い」の姿勢が生まれている点も大きな特徴です。
今後は学びの質のさらなる向上を目指していきます
今後の展開
岐阜県教育委員会では導入初年度の2025年は、単位認定に向けた遠隔授業の安定的な仕組みづくりに重点を置いてきました。今後はこの基盤を活かし、「学びの質のさらなる向上」を目指していきます。
現在、遠隔授業は先駆的な2名の先生が中心となって取り組んでいますが、来年度以降は公開授業などを通じて遠隔授業の「双方向の対話がある授業」としての認知度を高めながら遠隔授業に取り組む先生の輪を広げていけたらと思っています。
広大な面積を持つ岐阜県において、遠隔授業は「学びの選択肢」を広げるための重要な手段です。今後は、遠隔授業の更なる可能性について検討するためにも、実績を積み重ねていく方針です。
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