小中学校すべての学級に「xSync Board」を整備、電子黒板を有効活用して学力向上を

静岡県三島市教育委員会 様

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静岡県三島市教育委員会

三島市は県内初の試みとして、平成27年度から2カ年計画で小中学校の特別支援学級を含むすべての学級に60インチ一体型電子黒板『xSync Board』を整備した。その内訳は14小学校(平成27年度)、7中学校(平成28年度)で合計364台に及ぶ。そこで、市教育委員会に導入のねらいを聞くとともに、現在までの活用状況から『xSync Board』の魅力を紹介する。

日常的なICT活用の実現に向けて

三島市教育委員会 榊原 光 主事(左)、
佐藤 倫彦 指導主事

今回の電子黒板の一斉整備は、平成25年6月に閣議決定した「世界最先端IT国家創造宣言」に伴う文部科学省の「第2期教育振興基本計画」を受け、三島市が本格的にICT環境整備に乗り出す第一歩となった。機器の選定・整備に関わった教育総務課の榊原 光主事は、「事前にどういったICT機器を導入するかについて教員へアンケートを実施したところ、学力向上にいちばん効果的ではないかという意見が多かったのが電子黒板でした」と理由を挙げる。

その上で、「多額の予算がかかることから、私たちも当初は一度に全校に整備できるとは思っていませんでした。これだけの整備ができたのは、市長や教育長の理解が大きかったからにほかなりません」と振り返り、将来を担う子どもたちへの投資として期待の高さが伺えた。

もっとも、これまで電子黒板やプロジェクタは試験的に各校に1〜2台程度導入されているだけだったことから、教員全体の利活用に不安があるのも事実だった。そのため、機種の採択にあたっては教員による選定会を実施し意見を聞くなど、慎重な検討を行ったという。

こうしたなか、教員たちの間で高い評価を得たのが『xSync Board』だった。「決め手になったのは、操作性の良さです。なかでも、書く、消す、拡大など授業でよく使う基本機能が外部ボタンのイージーコントローラーからワンタッチで操作できるため、誰でも直感的に活用できる点が優れていると感じました」

その言葉通り、『xSync Board』は画面側面に取り付けた専用コントローラで操作するため、操作に迷わずに使用できることや画面に表示する教材の邪魔にならないなど、先生方の意見を取り入れた簡単操作が持ち味。しかも、保存したデータを使って比較したり集約したりするできる機能を搭載しているほか、一体型電子黒板はプロジェクタ型よりも外光の影響を受けにくいことから、PCの元データの色を忠実に再現できるといった長所も備えている。

また、国の方針に沿ってタブレットも含めて一気に導入してしまうと、教員が混乱する恐れもあることから、「まずは電子黒板を授業で十分に活用してもらってから、次のステップとしてタブレットの導入も考えていきたい」と指摘。日常的なICT活用の扉を開く電子黒板導入のねらいを口にした。

そんな電子黒板を有効なツールとして推進するため、今回の整備では主要教科のデジタル教科書と書画カメラを併せて導入しているのも大きな特長になっている。なお、『xSync Board』はデジタル教科書を画面から直接呼び出すことができるリンク機能も搭載しており、授業の流れを止めずにスムーズに進めることが可能だ。

では、小学校の整備から1年を経た現在の活用状況はどうか。導入後の学校現場での活用を支援する学校教育課の佐藤 倫彦指導主事は、操作に戸惑うといったケースもなく、当初の見込み通り活用が進んでいることを強調する。「音声はもちろん、簡単に画像や動画などを大きく表示できることが子どもたちの学習内容理解に役立つとともに、たとえばデジタル教科書を使って授業の大事なポイントなどを指すときも、教員が子どもの表情を見ながら明確に伝えられるようになりました」と話し、視覚や聴覚に直接働きかけることや教員の指導のしやすさが学習効果を生んでいると評価した。

事実、整備後に実施した教員へのアンケート結果では、電子黒板等の子どもたちへの効果として、「大変効果があると思う」と答えた教員が整備前の44%から77%に。また、電子黒板の整備に伴う教員の負担についても、「軽減された」と感じる教員が27%から63%と、いずれも飛躍的に増加している。

また、こうした教員の手応えを裏づける利用法として、板書や子どもの意見など書き込んだ内容も含めて保存できるので、授業のまとめや前時の振り返りなどに応用できること。あるいは、共有フォルダを使って教材や練習問題の共有化を図ることで、今までよりも授業準備を短縮できる点などを挙げた。

仲間と一緒に電子黒板を操作しながら算数の問題に取り組む

書画カメラで紙資料を提示して発表する

子どもの学習意欲が向上

さらに、子どもたちにも電子黒板を使った授業は好評だ。低学年では「授業が楽しくなった」「やる気がでる」「電子黒板の前に立つとワクワクする」など学習意欲の向上を感想に挙げる声が多かったほか、高学年になるにつれて「拡大や動画で説明されるから理解しやすくなった」「先生がどこを指しているかよく分かるので、勉強しやすい」といった授業での具体的な効果を挙げる声が多くなっている。

佐藤指導主事も「電子黒板の前で発表する機会が増えたことで、自分の考えを伝えようとする意欲も高まったようです」と語り、子どもの自発的な態度の育成にも成果を感じているようだった。

一方、今後の課題は電子黒板に頼るだけでなく、どの場面で使えば効果的なのか機器の特性を見極めて活用していくことを挙げる。そんなスキルアップを後押しするのが教員研修になるが、「操作に長けている教員が中心になって、活用方法を広めてもらっている」と感謝。続けて、「幸い、思った以上に先生方が工夫をこらして活用してもらっているので、今後より良い活用が生まれてくると確信しています」と期待した。

また、導入してまだ日が浅い中学校での活用についても、「小学校と同様にICT講習会などさまざまな操作を学習する機会を設けるとともに、定期的に教員へのアンケートを実施して活用状況を把握し、教員全体での利用を進めていきたい」と意欲的に語ってくれた。

今後の活用が期待される中学校での授業

子ども主体の授業につなげる活用を

このように三島市の『xSync Board』整備は、教員全体が日常的にICT活用を実現してもらうための最初のツールとなるものである。これによりICTの特性や長所を理解することで効果的な使い方を習得し、次のステップとなる主体的・対話的な深い学び=アクティブ・ラーニング型授業につなげることを目指しているのだ。

そこには、当然ながら協働的な学習に適したタブレット導入(1人1台にはこだわらない)も視野に入れているが、『xSync Board』にはタブレット間を連携する協働学習支援ソフト『xSync』があり、使い慣れた環境下でスムーズな展開を図れるメリットがある。その意味でも、まずは電子黒板の機能を使い切り子ども主体の授業を実現することが求められるとともに、そこからの教員の興味関心が次のICT機器の導入を決定していくのだろう。

xSync Board(バイシンク ボード)の詳細はこちら

静岡県三島市教育委員会
組織名
静岡県三島市教育委員会 様
URL
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/edu_index.html
住所
三島市役所
静岡県三島市北田町4-47

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