
「緊急防災・減災事業債」を活用し
「災害時オペレーションシステム」を導入
4市町村にわたる防災体制を構築、大規模災害に備える
富山県魚津市、滑川市、上市町、舟橋村からなる「富山県東部消防組合」は、災害発生時における各市町村との迅速かつ正確に情報を共有することを長年の課題としてきた。そのため令和7年(2025年)に「災害時オペレーションシステム」の一部として、デジタル指揮卓「ELMO DXテーブル」、電子黒板「ELMO Board」およびリアルタイム情報共有システム「ELMO コラボレーション」を導入し、災害点位置共有地図アプリケーション(※1)、緊急消防指令装置、ドローン映像、ライブ119等との連携運用をしている。消防組合本部には「ELMO DXテーブル」を、各市町村には「ELMO Board」を配置し、「ELMO コラボレーション」を介して各拠点を繋ぐことで、これまで電話中心だった情報伝達から、地図・映像を用いて視覚的に災害情報を共有できる環境を構築した。また、「緊急防災・減災事業債(※2)」を活用することで実質的な負担を抑えながら、速やかな導入が可能となった。
- 災害点位置共有地図アプリケーション開発元:株式会社ほくつう
富山支社 富山県富山市綾田町1丁目7番23号 (営業部)076-431-1399 - 緊急防災・減災事業債…地方公共団体が防災・減災対策事業を実施するために起債できる地方債。
東日本大震災の教訓を踏まえ、国が地方の防災力強化を財政的に支援する目的で2011年に創設された。2025年(令和7年)度までの時限措置。(2026年1月取材時時点)
従来の災害対策の課題
情報共有を同時に行えず、初動まで時間がかかった
従来は電話を用いた音声による連絡が主で、災害発生時には各市町村と個別にやり取りを行っていた。そのため同時に情報を共有することができず、災害対応の初動に時間を要する場面もあった。
災害発生地点の把握に手間がかかっていた
災害情報は住所や口頭説明で伝えられるため、地図を確認しながら場所を特定する必要があり、現場状況を直感的に把握することが難しい状況だった。
広域におよぶ自然災害への対応に限界があった
もともと富山県は山岳地帯から海までの距離が短く、河川氾濫や土砂災害が発生しやすい地形だった。複数箇所で同時に被害が起こる自然災害では、消防本部と市町村担当課両方に災害通報や危険情報が寄せられるため、音声だけの情報共有では意思疎通が図れないまま災害対応にあたり、相互に対処が不十分なケースがあり、またそれにより活動終了までに時間を要することもあった。
「緊急対策ソリューション」でこう解決!

災害情報を一元管理
消防本部の「ELMO DXテーブル」で災害情報を一元管理し、各市町村の「ELMO Board」上にも連動して表示。必要情報を可視化することで正確な伝達が可能になった。

セキュアなコミュニケーション
音声に加え映像など視覚的な情報伝達が可能な「ELMO コラボレーション」を使用することでコミュニケーションが円滑に行えるようになった。また、オンプレミス(閉域網)通信のため、高いセキュリティを堅持することができた。
「緊急対策ソリューション」選定のポイントは?
災害情報を同時に可視化できるか?
災害情報をリアルタイムで正確に共有すること。
- 地図、災害情報、映像を同一画面に表示させることで情報を一元管理
- 「ELMO コラボレーション」により、リアルタイムでの情報共有が可能に
通信指令装置と安全に連携できるか?
セキュリティの観点から、閉域網や固定IPアドレスによるアクセス制限を行った通信が望ましい。
- 通信指令装置からの全てのデータ転送及び速度の確立
- ELMOのシステムなら安全に情報共有が可能
- 発災時に災害対策本部が移転した場合でも運用が可能
費用面での課題がクリアできるか?
大規模な設備の導入にあたり、どのように費用を賄うか。
- 「緊急防災・減災事業債」を活用し、実質的な負担を大幅に圧縮
- 初期費用を用意する必要がなく、導入のハードルが下がった
お客様の声

市町村と連携し、訓練でも成果を実感
富山県東部消防組合は、魚津市、滑川市、上市町、舟橋村の4市町村で構成され、大規模災害発生時には災害対策本部への的確な災害情報提供、現場活動部隊としての役割を担います。これまで構成市町村との情報共有は電話などの音声通信がメインでしたが、より正確かつ迅速な対応をするため、令和7年(2025年)に「災害時オペレーションシステム」の一部として「ELMO DXテーブル」「ELMO Board」「ELMO コラボレーション」を導入しました。
これにより、音声だけでは伝えきれなかった被害状況等を、地図や映像を用いて視覚的に共有できるようになり、意思疎通の精度は大きく向上しています。
特に、「ELMO DXテーブル」は災害地点が登録された地図情報やドローンの映像など複数の視覚的な情報を同時に表示できる点が大きな特長です。従来は電話で詳細な住所説明を行う必要がありましたが、発災地点を可視化できるようになったことで、情報共有が格段にスムーズになりました。
システム導入にあたっては「緊急防災・減災事業債」を活用することで初期費用を抑えることができ、なおかつ実質的な負担が減ったのも大きな利点です。
幸いにも現在まで大規模な災害の発生には至っていませんが、広域災害が生じた場合には、構成市町村との即時連携が不可欠となります。そのため、訓練では「ELMO コラボレーション」を活用し、ドローン映像の共有などを行いながら実践的な運用力の向上に取り組んでいます。構成市町村からも今後積極的に活用していきたいという前向きな声が寄せられており、防災・減災に対する意欲が高まったことは大きな成果のひとつといえます。
富山県東部消防組合消防本部
通信指令課 課長
佐生 明範 氏
(取材日:2026年1月16日)
富山県東部消防組合様における「緊急対策ソリューション」の活用法
広域におよぶ災害が発生した時は、消防と市町村との連携が必須となる。富山県東部消防組合と構成市町村では、従来、災害時における被害状況の共有に課題を抱えており、対応の重複やリソース不足といった事態が発生していた。そこで令和7年(2025年)から、消防と市町村との情報共有を強化する「災害時オペレーションシステム」の運用を開始。消防指令システムと連携する同システムにより、消防と市町村が同時に災害対応状況を把握することが可能となった。
災害時オペレーションシステム概要

「災害時オペレーションシステム」の一部として「緊急対策ソリューション」を採用
デジタル指揮卓「ELMO DXテーブル」
消防本部内の通信指令室に設置。災害点位置共有地図アプリケーションやドローンで撮影した災害現場動画、指令端末画面等の複数のソースを大型の画面に同時に表示して俯瞰的に確認が可能。複数職員による書き込み、マルチモニタへの投影、「ELMO コラボレーション」を使った市町村との共有により災害対応の迅速化を実現。
リアルタイム情報共有システム「ELMO コラボレーション」
消防本部並びに構成市町村に接続用の端末を配備。音声・映像・画面共有・書き込みを通じて、消防本部の災害対応状況の共有や災害対策本部からの指示を迅速・正確に行えるようになった。
構成市町村には端末として電子黒板「ELMO Board」を設置し、複数人で確認しやすい環境を用意した。

地図情報やドローンの映像など複数の視覚的な情報を「ELMO DXテーブル」へ集約し同時に表示。

被害状況を可視化することで、情報共有がスムーズになった。
関連リンク

「富山県東部消防組合」は、富山県魚津市、滑川市、上市町、舟橋村の4市町村で構成される広域消防組織。消防・救急・救助業務を共同で担い、大規模災害発生時には構成市町村の各災害対策本部からの指示により、それぞれの市町村(災害)に対応した消防活動を行う。 地震や水害などの広域災害に備えて情報共有体制の強化や訓練を重ね、迅速かつ的確な初動対応と住民の安全確保を目的に、継続的な防災・減災体制の充実に取り組んでいる。
- 組織名
- 富山県東部消防組合 様
- 住所
- 富山県魚津市本江3197-1
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