
広域的な災害対応力強化のため消防指令業務を共同運用
消防にとって最重要項目である「情報共有」を強化
大阪府豊中市、吹田市、池田市、箕面市および摂津市は、複雑多様化する災害に備え広域的な対応力の強化を図るため、令和6年(2024年)4月より北大阪消防指令センターの共同運用を開始した。 規模の拡大に伴い、指令管制・現場活動をサポートするシステムの1つとして「ELMO緊急対策ソリューション」を採用。5市の豊中市消防局・吹田市消防本部・池田市消防本部・箕面市消防本部・摂津市消防本部には電子作戦テーブル「ELMO DXテーブル」を配備した。北大阪消防指令センターと各消防局・消防本部および現場とはリアルタイム情報共有システム「ELMO コラボレーション」により情報共有体制を構築。災害時における円滑な情報共有により、さらに迅速で的確な消防・救急・救助活動を行う。
従来の消火活動や災害対策における課題
情報共有方法がアナログで煩雑だった
従来の情報共有の方法は、警防作戦室内ではホワイトボードや紙を用い、現場とのやり取りは無線を介して口頭で行うなど、アナログ形式がメインで煩雑な面があった。共同運用開始に伴う規模の拡大にあたり、情報の集約・整理・共有に懸念があった。
エリアによって無線が入りにくいことがある
管轄区域内の山間部エリアでは無線や携帯電話の電波が入りにくく、情報共有に弊害がでることがあった。
他拠点との会議では移動の時間と手間がかかっていた
日々行われる他拠点との会議では、集合するため移動の時間と手間がかかっていた。
「緊急対策ソリューション」でこう解決!

「ELMO DXテーブル」で情報の集約・共有方法を強化
5市の各消防局・消防本部の警防作戦室に「ELMO DXテーブル」を設置。北大阪消防指令センターや現場から集まる情報など災害対応に必要なあらゆる情報をテーブルに集約・整理し一元管理、必要に応じてテーブルから大型モニターへ投げ込み表示をすることで迅速でスムーズな情報共有が可能になった。

「ELMO コラボレーション」で
狭帯域でも安定した情報共有が可能に
「ELMO コラボレーション」は狭帯域下であってもコミュニケーションを成立させるため、会議継続と音声通話の品質を第一に設計。山間部や災害時などの不安定なネットワーク環境下でも音声が途切れず、指示や情報共有が継続でき、対応の遅れを防ぐ。

「ELMO コラボレーション」を活用し会議実施の省力化を実現
遠隔拠点間との会議も、「ELMO コラボレーション」を使用することで移動の時間と手間を削減できた。「ELMO コラボレーション」は、対面会議さながらに、相手の音声・表情の確認はもちろん資料の共有や書き込みもでき、スムーズな意思疎通が可能。会議実施のハードルを下げ、より密なコミュニケーションをサポートする。
お客様の声
日々の会議にも活用 リスク低減に効果
5市共同運用にあたって、大規模災害時の情報共有方法に課題がありました。そこで、従来のアナログメインからデジタル機器を活用する方法へ移行し、体制を強化するためシステムを導入しました。
私の所属する豊中市消防局でも、以前は、現場とのやり取りは無線で行い、警防作戦室ではホワイトボードに情報を集約し紙で共有をする、という状態でした。災害時には、指揮班、情報収集班、支援班……と班に分かれるのですが、班ごとに集める情報が違います。作戦室に寄せられる多種多様な情報を集約するには、アナログな集約・共有方法には限界を感じていました。
システム導入後は、「ELMO DXテーブル」に情報を集約し、作戦室内の全員に共有したいときは大型モニターに投げ込み表示することで簡単に周知が可能になりました。また、「ELMO DXテーブル」上で情報を一元管理することで履歴として残るため、事案を時系列で追えるようになり、情報の整理がしやすくなっています。紙の方が見やすい場面もありますが、整理や分析といった点ではデジタルでの情報管理は有効ですね。
今は、いろんな使い方を試してシステムの活用方法を模索している段階です。ただ現時点でも「ELMO コラボレーション」は大いに導入の成果があると感じています。災害時には、警防作戦室の「ELMO DXテーブル」と現場の指揮隊が持っているタブレット端末を「ELMO コラボレーション」で繋ぐことにより、リアルタイムに作戦室と現場が連携し補完体制をとり情報共有を図ることができると考えています。
また、現場対応のほか、日々の会議でも使用しています。豊中市には3消防署1分署があるのですが、今まで集合していた会議を「ELMO コラボレーション」を用いて遠隔で実施することもできるようになりました。集合する必要があるときはもちろん集合しますが、遠隔会議という選択肢ができたことにより、会議実施のハードルが下がったと感じています。今までは拠点間を移動しないといけませんでしたが、その時間と手間が無くなったので、ちょっとした打ち合わせもできるようになりました。消防の場合は、拠点を離れてしまうと管轄区域が手薄になるリスクがありますから、移動がなくなることは大きなメリットです。
システムを使いこなす段階にはまだ至っていませんが、スマートフォンやタブレットのように直感的に操作ができるものなので、触れていけば誰でも使いこなせるようになると考えています。機能としては、「こんなことできたらいいな」と思うことはほとんどできそうです。緊急消防援助隊として出場することがあれば、同様にシステムを活用できたらと考えています。
豊中市消防局 警防課
小川 大輔 氏
北大阪消防指令センター様における
「緊急対策ソリューション」の活用法
豊中市、吹田市、池田市、箕面市、摂津市、豊能町、能勢町の北大阪地域5市2町では、従来3か所の指令センターで消防指令業務を行っていたが、大規模災害や、それぞれの地域で発生する消防・救急・救助活動へのさらなる対応強化を目的として、令和6年(2024年)4月に北大阪消防指令センターを設置。消防指令システムを一元化し5市での共同運用を開始した。今後さらに迅速・的確な対応が期待される。
「緊急対策ソリューション」を採用 北大阪地域を繋ぐ情報共有網を構築
大規模災害時に災害対応の中心となる各市の警防本部が設置される作戦室に「ELMO DXテーブル」を設置。北大阪消防指令センターおよび現場のタブレット端末と「ELMO コラボレーション」で繋ぎ、情報共有ツールとして使用している。

電子作戦テーブルに情報を集約 情報の俯瞰による的確な分析をサポート
「ELMO DXテーブル」のディスプレイには、指揮支援システムの情報、火災現場の対象物・住民の情報やインターネット上の気象情報など、災害対応に必要なあらゆる情報をカード形式で一括表示をしている。これにより、状況を俯瞰的にとらえることができ的確な分析をサポート、効率的な運用が可能になった。
ディスプレイは65インチの大画面なので、複数人で同じ情報を見ながら検討が可能。情報をデジタルで一元管理することにより共有・更新がスムーズになり対応の迅速化に繋がっている。


画面共有・書き込みをしながらリアルタイムに情報共有が可能

遠隔地間のやり取りも「ELMO コラボレーション」を介して図や写真(映像)等を共有することにより、一目で分かりやすく伝えることができ、より正確な情報伝達が可能になった。
関連リンク

北大阪消防指令センターは、豊中市、吹田市、池田市、箕面市、摂津市、豊能町(箕面市に事務委託)、能勢町(豊中市に事務委託)の北大阪地域5市2町により設置。管轄人口は約114万人。消防指令業務の共同運用では大阪府内で最大規模となる。万一の災害時に住民の生命と財産を守るため、迅速・的確に消防・救急・救助活動が行えるよう日々活動をしている。
- 組織名
- 北大阪消防指令センター 様
- 住所
- 大阪府吹田市佐竹台1丁目6番3号
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