2014年2月17日に開催された、平岸高台小学校で開催された、札幌市研究開発事業「情報教育に関する実践研究会」の公開授業の続きです。
公開授業の後は、平岸高台小学校の研究実践校の取り組みの
紹介の実践発表や市内の小中学校の実践紹介がありました。
平岸高台小学校は、研究校として、電子黒板、
デジタル教科書、実物投影機などのICT機器が導入されて
2年がたちます。
ICT機器ありきの授業ではなく、わかりやすい授業のためのICT活用をするため、今まで模索してきた日々についての苦労や、新しい発見の喜びなどが伝わってきました。
今年度からは、ICT支援員の方の協力も大きかったようです。
最後は、玉川大学教職大学院の堀田龍也先生によるご講演で締めくくられました。
今回の演題は『授業改善のためのICT活用とは』でした。
最初に、参観した授業一つ一つの講評を
丁寧にしていただきました。
そのお話は、ICT活用という視点よりは、
授業の内容について学ぶことが多いお話でした。
その中でも、授業の組み立てのお話が特に心に残りました。
授業の目標を達成するために、どんな時間配分で、子どもたちにどこまで学ばせるのか。
授業の最後には、ノートにどんな学びが残されていたらよいのか。
その時のICTの役割が、はっきりしているか。
講演のスライドには、
「ICTはあくまで脇役、教材研究と授業づくりが最重要」
と書かれてありました。
ICTを使えば授業がよくなるわけではなく、ICTにあまり頼らないのが一つの落としどころだと言われていました。使わないのではなく、「あまり頼らない」ということろがポイントです。
堀田先生の最後のスライドは、OHPの写真でした。
今のように実物投影機が使われる前には、
OHPが授業でかなり使われた時代がありました。
その頃、OHPが重要だったわけではなく、
OHPの上に何を置いたかが重要でした。
その時の教材選定が重要だったわけで、このことは、
今も全く変わっていないこと。
どんな教材選定をしたかによって、授業が改善されているかが、最大の課題であることを話してくださいました。
時代や道具が変わっても、授業に本当に必要なことは変わっていないのだと改めて考え直したご講演でした。『授業改善のためのICT活用』の一番大切なことはここにあるのかもしれないと思いました。
月別アーカイブ: 2014年4月
札幌市立平岸高台小学校の公開授業に行きました(2)
2014年2月17日に開催された、平岸高台小学校で開催された、札幌市研究開発事業「情報教育に関する実践研究会」の公開授業の続きです。
5年の算数「百分率とグラフ」の授業では、
前時の学習の振り返りとして、実物投影機「みエルモん」で
SDカードに保存しておいたノートを映していました。
保存したSDカードを選んで見せたり、
ポイントに書込んだりすることが便利な
「かけるもん」も一緒に使っていました。
バラバラの数字を、どうやって比べたらいいか。
難しい場面でしたが、
前時で学んだ比べるための数をそろえる方法を振り返り、
しっかり確認してから、今日の問題に取り組みました。
ノートを日常的に実物投影機で映している効果もあるのか、
きれいに整理されたノートを作っている子どもが多いことが
印象的でした。
札幌市立平岸高台小学校の公開授業に行きました(1)
今週から三日間続けて、昨年度の2014年2月17日に開催された、札幌市研究開発事業「情報教育に関する実践研究会」の公開授業のレポートをご紹介していきます。
会場校は、札幌市立平岸高台小学校でした。
この日は、5校時に4クラスの授業公開が行われ、その後、平岸高台小学校から研究実践校の取り組みの実践発表等があり、引き続いて玉川大学教職大学院の堀田龍也先生によるご講演もありました。
当日は、猛吹雪の天候にもかかわらず、100名近くの参加者があり、どの教室もたくさんの参観でにぎやかになりました。
教室ごとに、大型TVと電子黒板、デジタル教科書、
実物投影機などのICT機器を活用した授業が
展開されていました。
4年生の国語の授業「言葉について考えよう」では、
文と文をつなぐ言葉に注目し、文章を組み立てていました。
自分たちが考え、ノートに書いた文章を、
実物投影機「みエルモん」で大きく映して
発表していました。
自分でズームして見やすい大きさにして、
フリーズボタンを使って映像を止めて発表している様子から、
実物投影機がすでに子どもたちの学習の道具となり、
すっかり馴染んでいることがよくわかりました。
日常的に使われている様子は、実物投影機「みエルモん」で
映される中心がわかるように、
いつも使う台に映す範囲の中心点に印がついていることからも
わかりました。
子どもたちが使いやすいような工夫がみられました。
渋谷区立猿楽小学校へ行ってきました(3)
小学1年生、算数の事例、一昨日からの続きで三日目です。
色板を使って、いろいろな形を作ってみたり、
変えてみたりした後に、最後は練習問題に
取り組みました。
先生は、教科書の問題の図形を大きく映しながら、
三角形に補助線の引き方を説明しました。
その後、その三角形をスクリーンいっぱいにMAXズームをして、
実物投影機「みエルモん」のフリーズ機能を使って、
画面が動かないように画面を止めて見せていました。
「みエルモん」のちょっとした使い方のコツで、
ずいぶん見やすくなることがわかりました。
教科書にどんな補助線を入れたらいいかわかった子どもたちは、先生がやったのと同じように定規をだして補助線を引いていました。
最後に、授業のまとめとして、次の二つのことを確認しました。
同じ枚数の色板を使った場合、
・図形の形が変わっても広さは同じ。
・並べ方は一つだけではない。
今回の授業で、実物投影機を使うことで、次に何をしたらいいのか、どんなことをするのか、という基本的な指示が、1年生の子どもたちに的確に伝わることがはっきりわかりました。「みエルモん」があることで、子どもたちも安心して授業を受けている様子も伝わってきました。
子どもたちが「みエルモん」のことが大好きだという理由がよくわかりました。
渋谷区立猿楽小学校へ行ってきました(2)
小学1年生、算数の事例、昨日の続きです。
次の先生の指示は、「4枚の色板で、教科書と同じ形を作りましょう。」というものでした。
先生は、これからどの形を作るのかを、実物投影機「みエルモん」で教科書の図を大きく映して見せました。
子どもたちは発表したくて、すぐに自分の机で色板を並べ終え、とても元気よく手を挙げていました。
そして先生に指名された代表の子どもが前に出て、実物投影機の下で実際に4枚の色板を使って教科書と同じ形を作って見せました。
どんな向きで色板を置いたら形が作れるのかを確認するには、実物投影機で大きく「やってみせる」ことはとても有効だと思いました。
見ている子どもたちは、自分が色板を動かしているときのように一緒に考えながら見ていました。
黒板にも同じように、磁石の色板を使って形を作っていきました。磁石の色板は板書と同じなので、スクリーンの映像と違って最後まで残ります。
これを使って、同じ形ができていても、
三角形の板の並べ方や向きが違うことを確認しました。
左の写真は、三角形の向きを変えても同じ形になる
ところを実演している場面です。
そしてこれらの形はみな、「4枚の色板」を使って作っていることから、形が違っても広さは同じだということも確認しました。
渋谷区立猿楽小学校へ行ってきました(1)
2014年度最初にご紹介する事例は、渋谷区立猿楽小学校の1年生の授業です。
実物投影機「みエルモん」が大好きな子どもたちが、元気いっぱいの授業をみせてくれました。三日間連続でご紹介していきます。
小学1年生、算数の授業を参観してきました。
「かたちづくり」の単元で、自分の色板を
授業で使うことになりました。
先生は、「同じ三角形の形の色板をだしましょう。」
と指示を出しました。
どのように出したらいいかわからない子どもがいないように、実際にどのように机の上に用意するかを実物投影機「みエルモん」で映して見せました。
スクリーンに映ったのを見て確かめながら、子どもたちは一斉に机に色板を準備しました。
口頭だけで指示するよりも簡単に子どもたちに伝わり、
準備の時間が短く済みました。
前時の復習として、
三角形の色板を使って好きな形を作りました。
どんな形を作ったか、実物投影機「みエルモん」で映しながら、みんなの前で発表しました。
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